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簿記資格で年収は変わる?1級・2級の収入とキャリアパスを徹底解説【2025年最新版】

簿記資格で年収は変わる?1級・2級の収入とキャリアパスを徹底解説【2025年最新版】

「1級や2級を取得すれば実際に年収は上がるの?」

「1級や2級を取得すると、年収が変わるの?」

「年収をさらに上げるための具体的なコツってあるの?」

日商簿記はキャリアアップにおすすめの資格ですが、実際にそのくらい年収があがるのか気になっている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、日商簿記の資格を取得することによる年収の変化や就職・転職への影響、さらに年収をアップさせるコツをご紹介します。

簿記資格の取得を検討している方は、ぜひご覧ください。

目次

簿記1級、2級とは?

日商簿記検定は、会計スキルのレベルを示す代表的な資格ですが、特に1級と2級では求められる知識レベルや市場での評価が大きく異なります。

まずは、それぞれの資格が持つ意味合いと価値の違いを正確に理解しましょう。

簿記1級

日商簿記1級は、会計分野における最高峰の専門知識を証明する資格です。

その理由は、上場企業のような大企業の複雑な会計処理や経営分析に対応できる、極めて高度なスキルが問われるためです。

試験範囲は商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算の4科目に及び、単なる計算技術だけでなく、会計基準や会社法といった理論的背景への深い理解が不可欠とされます。

例えば、合格率が毎年約10%と非常に低いことからも、その希少性と専門性の高さがうかがえます。

この難関資格を取得することで、税理士試験の受験資格が得られるため、会計のプロフェッショナルとしてさらなる高みを目指すための登竜門ともなっています。

簿記2級

日商簿記2級は、あらゆる企業で通用する経理・会計の実務能力を証明する、ビジネスパーソンにとっての「標準装備」とも言える資格です。

中規模企業の経理業務を網羅できる商業簿記と、製造業で必須となる工業簿記(原価計算)の知識が問われ、財務諸表の数字から経営内容を把握する力が身につくからです。

実際に多くの企業の経理職求人で応募条件として「日商簿記2級以上」と明記されており、実務キャリアへの登竜門として極めて重要な位置を占めています。

具体例を挙げると、実務未経験から経理職への転職を目指す場合、簿記2級を持っているかどうかが、書類選考を通過できるかを左右する決定的な要因となるケースが少なくありません。

簿記2級は、経理・財務分野でのキャリアをスタートさせるため、また営業職など他の職種で会計リテラシーをアピールするためにも、非常にコストパフォーマンスに優れた資格と言えます。

日商簿記1級や2級を取れば年収は上がる?

資格取得の最大の関心事は、やはり年収への影響でしょう。

ここでは、最新の調査データに基づき、簿記1級・2級保有者のリアルな年収事情を解説します。

資格そのものの価値と、それを年収に結びつけるために不可欠な「実務経験」の重要性が見えてきます。

日商簿記1級・経理職の平均年収

日商簿記1級を取得すると、日本の平均給与を大幅に上回る収入が期待でき、特に実務経験を積むことで年収は飛躍的に向上します。

簿記1級保有者は会計の高度な専門家と見なされ、大手企業やコンサルティングファームなどの専門職で高く評価されるため、必然的に高い給与水準が設定されています。

複数の調査によると、簿記1級保有者の平均年収は570万円から600万円前後に達するというデータがあります。

年代別のデータを見ると、その傾向はより顕著です。30代の平均年収が555万円であるのに対し、40代では671万円へと大きく上昇しています。

これは、資格が持つポテンシャルが、実務経験という触媒によって完全に開花し、市場価値として正当に評価されることを示しています。

日商簿記2級・経理職の平均年収

日商簿記2級の取得は、経理職としてのキャリアを始動させ、安定した年収基盤を築くための最も確実な第一歩です。

簿記2級は、多くの企業で経理実務の基礎知識を持つ証明として広く認知されています。

調査によれば、簿記2級保有者の平均年収は約470万円前後ですが、この数字を鵜呑みにするのは危険です。

なぜなら、この金額は実務経験の有無によって大きく変動するからです。

具体的に見ると、実務未経験者の場合、年収は250万円~350万円程度からのスタートが一般的です。

しかし、そこから3年以上の実務経験を積むと、年収レンジは350万円~650万円にまで上昇します。

この事実は、資格が「高年収を保証する札」ではなく、年収を引き上げるために必要な「経験を積む機会」を獲得するためのツールであることを明確に示しています。

したがって、簿記2級はそれ自体が直接高年収につながるわけではなく、キャリアを形成し年収を上げていくための「スタートラインに立つ権利」を得るための、最も有効な資格だと理解するのが適切です。

日商簿記2級以上なら資格手が支給される可能性もある

企業によっては、日商簿記2級以上の資格保有者に対して、月々の給与に上乗せされる「資格手当」を支給する制度が設けられています。

これは、企業が従業員の専門スキル習得を奨励し、その知識を業務に活かしてもらうことを目的とした福利厚生の一環です。

この制度がある企業では、資格取得が直接的な年収アップに結びつきます。

手当の相場としては、日商簿記2級で月額1,000円~5,000円、難易度が格段に上がる簿記1級では月額5,000円~20,000円程度が一般的です。

年間に換算すれば数万円から20万円以上の差となり、生涯年収で考えると決して無視できない金額になります。

ただし、近年は資格手当制度を廃止し、代わりに採用や昇格の必須要件とする企業も増えています。

そのため、資格手当はあくまで付加的なメリットと捉え、就職・転職の際には規定をしっかり確認することが重要です。

簿記1級を取得すれば年収1000万円を稼ぐことも可能?

日商簿記1級の資格を基盤とし、その後のキャリアを戦略的に築くことで、年収1000万円という大台に到達することは十分に可能です。

年収1000万円は、一般的な経理担当者として働き続けるだけでは到達が難しい領域です。

このレベルの収入を得るには、簿記1級の高度な会計知識を活かし、より付加価値の高い職務へとステップアップする必要があります。

具体的には、企業の財務戦略を担う財務部門の管理職、経営判断に直接関与する経営企画、あるいはM&AアドバイザリーやIPO支援といった高度な専門性が求められる分野への進出が鍵となります。

考えられるキャリアパスとしては、まず大手企業で経理としての経験を積み、連結決算や開示業務といった専門性を高めながら管理職目指すルートがあります。

また、成長著しいベンチャー企業にCFO候補として参画し、IPOを成功させて高収入とストックオプションを得る道も魅力的です。

さらに、コンサルティングファームや投資銀行へ転職し、会計のスペシャリストとして専門性を武器に高年収を得るという選択肢も有力です。

簿記1級は年収1000万円への「挑戦権」を与えてくれるものですが、それを現実に変えるには、資格取得後も学びを止めず、難易度の高い実務経験を貪欲に求め、時には大胆な転職を決断するといった、戦略的なキャリア構築が不可欠です。

簿記1級、簿記2級を活かせる仕事・主な転職先

簿記の資格は、経理部門だけでなく、多様な職種でその価値を発揮します。

ここでは、簿記の知識を活かせる代表的な5つのキャリアパスを紹介します。

それぞれの仕事内容を理解することで、ご自身の興味や適性に合った将来像を描くことができるでしょう。

1.企業の経理部門

企業の経理部門は、簿記の知識が最も直接的に活かせる、王道のキャリアパスです。

日々の伝票処理や仕訳、月次・年次決算書の作成、法人税などの税務申告といった、企業の経済活動を正確に記録・報告する業務のすべてが、簿記のルールと知識に基づいて行われます。

簿記2級はこれらの実務をこなす上での必須スキルであり、簿記1級は連結決算や国際会計基準(IFRS)への対応、開示業務といった、より高度で専門的な業務でその真価を発揮します。

例えば、メーカーであれば工業簿記で学んだ原価計算の知識が製品コストの管理に不可欠ですし、グローバルに事業展開する上場企業であれば、海外子会社を含めた連結財務諸表の作成スキルが求められます。

経理部門はどの企業にも不可欠な存在であるため、安定した需要が見込めます。地道に専門性を深めていくことで、着実にキャリアアップと年収アップが期待できる堅実な職種です。

2.企業の財務部門

企業の財務部門では、簿記の知識を「未来の意思決定」に活かす、よりダイナミックで戦略的な役割を担います。

経理部門が作成した財務諸表という「過去の成績表」を分析し、それに基づいて会社が将来成長するために必要なお金をどう集め、どう使うかを計画・実行するのが財務の仕事です。

経理が過去から現在までのお金の流れを正確に記録する役割なら、財務は未来のお金の流れを創り出す役割と言えます。

具体的な業務としては、銀行との融資交渉や社債・株式の発行による資金調達、M&Aの検討、設備投資の判断などが挙げられます。

例えば、新規事業への投資を判断する際、その事業の収益性を予測し、会社全体の資金繰りに与える影響をシミュレーションするためには、簿記で培った財務諸表の読解力が不可欠です。

財務部門は経営陣との距離が近く、会社の成長戦略に直接貢献できるやりがいのある仕事であり、経理職からのステップアップ先として非常に人気があります。

3.企業の営業部門

意外に思われるかもしれませんが、簿記の知識は営業職においても強力な武器となり、ライバルとの明確な差別化を図ることができます。

なぜなら、簿記を理解している営業担当者は、自社製品の魅力を語るだけでなく、取引先の財務状況を読み解き、相手の経営課題にまで踏み込んだ提案ができるからです。

これにより、単なる「物売り」から、顧客のビジネスを成功に導く「パートナー」へと立場を変えることができます。

例えば、BtoBの営業において、取引先の決算書から「この会社は売上は伸びているが、売掛金の回収が遅れ気味でキャッシュフローに課題がある」と分析できれば、「当社の新しい在庫管理システムを導入すれば、運転資金の効率が改善されます」といった、相手の痛いところに手が届く説得力のある提案が可能になります。

数字に基づいた論理的な提案は顧客からの信頼を勝ち取りやすく、結果として利益率の高い大型契約の受注や、長期的な関係構築につながります。

簿記は、トップセールスを目指す上で非常に有効なスキルセットなのです。

4.会計事務所

会計事務所や税理士法人では、特定の企業に所属するのではなく、独立した専門家として複数の中小企業の会計・税務をサポートする役割を担います。

主な業務は、クライアント企業の記帳代行、月次・年次決算書の作成支援、そして税務申告書の作成補助など、簿記の知識がそのまま業務の核となる仕事です。

様々な業種のクライアントを担当するため、短期間で多様な会計処理のパターンを経験でき、実務能力を飛躍的に高めることができるのが大きな魅力です。

特に、将来的に税理士や公認会計士といった国家資格の取得を目指している人にとっては、会計事務所での勤務は理想的な環境と言えます。

試験勉強で学んだ理論をすぐに実務で確認し、理解を深めることができるからです。

企業の内部から一社を深く支える経理職とは異なり、外部の専門家として多くの企業の健全な経営を支える「守りのプロフェッショナル」としてのキャリアを築くことができるでしょう。

5.コンサルティングファーム

コンサルティングファーム、特にM&Aや事業再生などを手掛ける財務アドバイザリーサービス部門は、簿記1級レベルの高度な会計知識を武器に、企業の成長戦略をダイナミックに支援する仕事です。

会計事務所がクライアントの法令遵守を支援する「守りのコンサルティング」だとすれば、コンサルティングファームはクライアントの企業価値向上を目的とする「攻めのコンサルティング」と言えます。

これらの業務では、財務諸表の数字の裏にあるビジネスの実態を正確に見抜き、リスクと機会を分析する能力が不可欠です。簿記1級で学ぶ体系的な会計知識は、まさにそのための土台となります。

非常に高い専門性と激務が求められる世界ですが、その分、若いうちから高年収を得られる可能性があり、ビジネスの最前線で自己を成長させたいと考える簿記1級取得者にとって、極めて魅力的なキャリアパスの一つです。

日商簿記資格の取得者がさらに年収をアップさせるための5つのコツ

簿記の資格は、年収アップへの扉を開く鍵です。しかし、その扉を開けた先でさらに高みを目指すには、戦略的な行動が不可欠です。

ここでは、簿記資格取得者が自身の市場価値を最大化し、年収を飛躍させるための5つの具体的なコツを紹介します。

1.経理や財務の実務経験を積む

資格取得後に年収を上げるための最も確実かつ王道な方法は、付加価値の高い実務経験を意識的に積むことです。

資格はあくまで知識レベルの証明であり、その知識を使って実務でどれだけの成果を出せるかが、あなたの市場価値を最終的に決定します。

具体的には、日々の仕訳入力や経費精算といった定型業務に留まらず、連結決算、開示資料の作成、税効果会計、管理会計の導入といった、より専門性の高い業務に積極的に挑戦することが重要です。

常に現状に満足せず、一つ上のレベルの業務に挑戦し続ける姿勢こそが、結果的に年収アップへの最短距離となるのです。

2.日商簿記1級や公認会計士、税理士などのさらに上位の資格を取得する(日商簿記2級取得者の場合)

日商簿記2級をキャリアの土台とし、さらに簿記1級や公認会計士、税理士といった難易度の高い上位資格を取得することは、専門性を絶対的なものにし、年収を大きく引き上げるための最も効果的な戦略の一つです。

これらの上位資格は、より複雑で責任の重い業務を遂行できる能力の客観的な証明となります。

その希少性の高さから、資格手当や基本給与の水準も格段に上がります。

例えば、簿記2級から1級にステップアップするだけでも、平均年収に100万円以上の差が生まれるというデータもあります。

さらに、公認会計士や税理士の資格を取得すれば、監査法人や大手税理士法人への道が開けるだけでなく、独立開業という選択肢も現実のものとなります。

独立すれば、自身の努力次第で年収の上限は事実上なくなり、年収1000万円以上も十分に射程圏内に入ってきます。

現在のキャリアや年収に停滞感を感じた時、上位資格への挑戦は、自身の可能性を大きく広げ、新たなステージへと進むための強力な鍵となるでしょう。

3.より良い条件の企業に転職する

現在の職場の評価や給与体系に限界を感じる場合、これまで培ったスキルと経験を武器に、より待遇の良い企業へ転職することが、最もスピーディーかつ確実に年収を上げる方法です。

同じ経理経験3年、簿記2級保有というスキルセットであっても、所属する企業の規模、業界、成長ステージによって年収水準は大きく異なります。

昔ながらの年功序列が根強い企業で昇給をじっと待つよりも、自身の市場価値を正当に評価してくれる成長企業へ移る方が、遥かに効率的に年収を上げることができます。

例えば、地方の中小企業の経理職から、給与水準の高い都市部の大手上場企業や外資系企業、あるいはIPOを目指す急成長中のITベンチャーへ転職することで、年収が100万円以上アップするケースは決して珍しくありません。

自身の市場価値がどの程度なのかを転職エージェントなどを通じて定期的に把握し、キャリアの選択肢として常に「転職」を視野に入れておくことは、現代のビジネスパーソンにとって不可欠な戦略と言えるでしょう。

より専門的なアドバイスを求めるなら、企業の経理・財務に関するコラムを参考に情報収集するのも有効です。

4.起業を検討する

簿記の知識は、会社員として収入を上げるためだけでなく、自身で事業を立ち上げる「起業」の際にも、成功の礎となる極めて重要なスキルです。

会社の経営とは、突き詰めれば「お金の管理」そのものです。簿記の知識がなければ、説得力のある事業計画の策定、日々の資金繰りの管理、正確な決算書の作成、そして適切な納税といった、事業を健全に運営するための根幹業務を遂行することができません。

例えば、創業初期の資金が潤沢でない時期に、自身で会計処理や決算業務を行えれば、税理士などに支払うコストを大幅に削減できます。

それ以上に重要なのは、自社の経営状況をリアルタイムで正確に把握できることです。これにより、問題の早期発見や、迅速な経営判断が可能となり、事業の生存確率を大きく高めることができます。

会社員として安定した収入を目指す道だけでなく、自らが事業のオーナーとなり、リスクを取りながらも上限のないリターンを目指すというキャリアも、簿記という羅針盤があれば現実的な選択肢となるのです。

5.簿記以外のスキルを取得する

簿記という会計の専門スキルに、語学やIT、マネジメントといった「掛け合わせるスキル」を加えることで、自身の市場価値を飛躍的に高め、代替不可能な人材になることができます。

これは、一本の深い専門性(縦軸)と、幅広い分野で活かせる汎用スキル(横軸)を併せ持つ「T字型人材」を目指す戦略です。

会計知識だけを持つ人材は数多くいますが、「会計知識 × 〇〇」という組み合わせを持つ人材は希少であり、その分、高い報酬で迎え入れられます。

具体的な組み合わせとしては、「簿記 × 英語力」が最も代表的です。

TOEIC800点以上などの高い英語力があれば、給与水準の高い外資系企業や日系グローバル企業の高年収ポジションが視野に入ります。

次に、「簿記 × ITスキル」も有望です。ERPシステムの導入経験やデータ分析スキルがあれば、企業のDXを推進する経理DXコンサルタントといった新しい職種で活躍できます。

さらに、「簿記 × マネジメントスキル」を身につければ、チームを率いる経理部長や、経営の意思決定を担うCFOへの道が開けます。

簿記資格の取得で満足せず、常に次のスキルセットは何かを考え、学び続ける姿勢こそが、高年収人材であり続けるための秘訣です。

まとめ

本記事で解説したように、簿記資格は年収アップとキャリアの可能性を広げるための非常に有効な自己投資です。

簿記2級はキャリアの扉を開く鍵となり、簿記1級は経営の中枢やより高度な専門分野への道を示すパスポートとなります。

しかし、最も重要なのは「資格取得をゴールにしない」ことです。

資格をあくまでキャリアのスタートラインと捉え、その上で付加価値の高い実務経験を積んだり、英語やITといったスキルを掛け合わせたりすることで、あなたの市場価値はさらに高まります。

時にはより良い条件の企業へ転職することも、年収を大きく引き上げるための有効な戦略となるでしょう。

ご自身のキャリアプラン実現に向けた第一歩として、まずは目標とする級の取得から始めてみてはいかがでしょうか。

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